「リハビリ」というと、なにか運動や訓練一辺倒といったイメージがあるでしょうか?確かに運動や訓練はとても重要です。残念ながら脳卒中をはじめとする脳の病気を発症した場合、機能がたちまち回復するような特効薬はなく、患者さん本人が、自分に合った正しい練習を行い、十分な練習量を確保することで生活を良くしていくしかありません。回復期リハビリ病棟では個々の状況に応じて、そのお手伝いをします。
また退院を見据え、患者さんを取り巻く「人」や「環境」を整えていくことも大切なリハビリの一貫と考え、家屋調査・試験外出・ご家族への介護指導・退院前カンファレンスなどの活動も行っていきます。それらは、患者さんの「努力」(運動・訓練)が終わってから行うのではなく、適切な時期に必要に応じて行っていく必要があり、ご家族にも早い段階から能動的で積極的な関わりが必要となりますのでよろしくお願いいたします。我々医療スタッフも精一杯リハビリの提供に努めてまいります。
リハビリとは、損なわれた機能を少しでも改善し、残存機能を有効活用できるよう訓練して、日常生活動作の向上を目指し、再び社会に復帰することです。そのためには、できるだけ早期に始めることが重要です。当院は、脳卒中の専門病院として、患者さんの治療を超急性期から回復期、生活期と継ぎ目なく提供し、退院目標には「おうちへ帰ろう」を掲げて、個々の患者さんの状況に合わせた対応を行い、安全・安心にご自宅に帰れるよう取り組んでいます。
ご自宅に帰るためにリハビリ継続が必要な場合には、回復期リハビリ病棟へ転棟となります。その際には、急性期スタッフから回復期スタッフへ患者さんの状態やリハビリ内容を伝達し、あるいは回復期リハビリスタッフが転棟前に患者さんのもとへ伺い、直接状態を確認させていただくなど、転棟してからもスムーズにリハビリを続けられるようにしています。
早期の身体機能回復と家庭復帰を目的とし、日常生活動作の練習や高次脳機能訓練などのリハビリを行います。できる限り動作の自立を図るため、1日最大3時間のリハビリ訓練以外にも、病棟内で今後の生活スタイルに合わせた動作を実践練習していきます。また、生活の移動手段として実用性と安全性やご家族の介助量を考慮したうえで杖・歩行器・下肢装具・車いすなど適切なものを選定し在宅生活の準備もしていきます。
月に一度行う家族面談の際にはリハビリの現状や将来の目標、今後必要となる準備や対応、退院先、退院時期などについて話し合います。その際、より状況を把握できるよう患者さんの動画を見ていただくこともあります。退院後の在宅生活については特に不安が大きいと思いますので、ご本人やご家族と共に、入院中に院外のスタッフ(ケアマネジャー・訪問ヘルパー・訪問看護師・福祉用具業者など)と当院の担当看護師・リハビリスタッフ・医療相談員などと入院中に会議を開き生活期リハビリへ繋いでいきます。
小林 邦彦
こばやし くにひこ
回復期リハビリテーション病棟専従医師
機能回復は「受け身」の状態では得られる効果が限定されてしまいます。そして、自宅に退院するには「本人の努力」だけでは前に進めないこともあります。ご家族の能動的で積極的な関わりが不可欠です。我々医療スタッフが一丸となってお手伝いしますので、ぜひ「おうちに帰りましょう!」
資格 | 日本整形外科学会認定整形外科専門医、 義肢装具等適合判定医、 身体障害者福祉法第15条指定医、 医学博士 |
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所属学会 | 日本リハビリテーション医学会、 日本整形外科学会 |
出身校 | 東海大学 |
卒業年 | 1992年 |
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