健康コラム

脱水症に注意しましょう!

脱水症に注意しましょう!

夏に向かう季節では、脱水症が引きがねとなり、脳梗塞を発症される方がいらっしゃいます。今回は、これからの季節に気をつけていただきたい「脱水症」についてお話します。

脱水症とは?

脱水症とは、体内の水分が不足した状態に陥ることです。

水分とは、水と電解質(体内の塩分やカリウムなどのミネラル)で、汗、尿や便、不感蒸泄によって体から排泄されます。特にこれから夏に向け気温と共に体温も上昇するので、体は発汗によって体温を下げようとします。汗をかく季節は、脱水症に陥りやすくなります。

寝ている間にも不感蒸泄(目でみて感じ取れる排泄ではなく口呼吸や皮膚呼吸によって蒸散する水分のこと)で体の電解質は失われます。不感蒸泄は体重1kgあたり約15ml/日とされます。1日の睡眠時間が68時間とすると、1日の3分の1は寝ている状態です。寝る前の水分摂取や排泄後の水分摂取はとても大切です。また年齢が高くなるにつれて感覚が鈍くなり、喉の渇きも感じにくくなるため、水分が必要でも本人が気付かない場合があり、さらに注意が必要です。

脱水症の症状

食欲不振眩暈や立ちくらみ尿量の減少頭痛や嘔気口腔内や皮膚の乾燥倦怠感などがあります。また、電解質のバランスが崩れてしまうため、筋肉が十分に代謝を行えず足がつるのも症状の1つです。 

脱水症の簡単チェック方法

爪を押す方法

  1. 親指の爪を逆の指でつまんで白くし、離した時に元の色に戻るまでに3秒以上かかると、脱水症の可能性があります

  2. 皮膚をつまんでみる方法

    1. 手の甲の皮膚をつまみ、離した後に皮膚が元の形に戻るまで3秒以上かかると、脱水症の可能性があります
  3.  
    1. 尿の色を確認する方法

      1. 尿の色が濃く、薄い黄色でない場合(濃い黄色・オレンジ色・茶色)は、水分不足の可能性があります。
    2.  
      1. 握手して確認する方法

        1. 脱水状態になると、末端の血流が減少するため、手(特に指先)が冷たくなります。外気などで冷えていないのに指先が冷たい場合も、脱水症の可能性があります

これらのチェック方法を参考に、自身の体調をチェックして、必要に応じて水分補給を心がけましょう

脱水症の対処方法

脱水症を疑われる場合、涼しい場所に移動する、体を冷やす(特に、首や脇、太ももの付け根など太い血管が通っているところを冷やすと有効)、水分補給をする、食事をしっかりとるなどの対処が必要です。

一日に必要な水分量は、一般的に1.5Lといわれています。一度にたくさん飲んでしまうと体が吸収しきれず、トイレの回数が多くなってしまうこともあるので、こまめに少しずつ飲みましょう。また、水分と電解質をバランス良くとるためには、経口補水液が最適です。

自宅で作れる経口補水液

一之瀬脳神経外科病院の管理栄養士がおススメする“自宅で作れる経口補水液”

【材料】 水…100㎖ 砂糖…3g 塩…0.3g レモン果汁…適宜

水に、砂糖、塩を加えて混ぜます。好みでレモン果汁を適宜加えて出来上がりです。※甘味を抑えたい方は、砂糖の調節も可能です。また、レモン果汁を加えると、よりさわやかな風味になります。

水分補給時の注意点

糖尿病のある人は、スポーツドリンクには糖分が多く含まれているので注意しましょう。

高血圧のある人は、塩分の取り過ぎに注意しましょう。

緑茶やコーヒー等カフェインを多く含むものには利尿作用があるため飲み過ぎには注意しましょう。アルコール飲料には利尿作用があり、喉の渇きを癒すためアルコールを飲んでも逆に体の水分を排出してしまうため、脱水の改善にはなりません。特に寝る前の飲酒は要注意です。

室内でも脱水症になる危険があります。室温は28度以下、湿度60%以下が目安です。

終わりに

脱水症は放っておくと、熱中症、熱射病へと症状が移行し、脱水症の悪化は脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気を引き起こす可能性があります。日頃からこまめな水分摂取と寝る前後の水分摂取を心がけましょう。

一之瀬脳神経外科病院 看護部

宮林 祐佳

 

 

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