健康コラム

脳卒中シリーズ④ くも膜下出血

脳卒中シリーズ④ くも膜下出血

くも膜下出血とは

くも膜下出血とは、くも膜と脳の間にあるくも膜下腔で動脈が破裂して出血する病気です。主な原因は脳動脈にできたこぶ(脳動脈瘤)の破裂によるもので、突然「ハンマーで殴られたような」「これまでに経験したことのない」激しい頭痛を訴えて病院に運ばれることが多く、それ以外にも吐き気・嘔吐、意識障害、けいれんなどを伴うことがあります。症状は出血量によって異なりますが、くも膜下出血は脳卒中のなかでも重篤な症状を引き起こすことで知られ、また再出血を起こすことも多く、早期治療が重要です。

くも膜下出血の原因

くも膜下出血の主な原因は、脳動脈瘤の破裂によるものです。脳動脈の血管壁が薄くもろくなり、そこが膨らんで血液が入り込み、コブのような形状になります。コブ状になった箇所に血流による圧力が加わった結果、破裂することによって起こります。その他に脳動静脈奇形、もやもや病、脳腫瘍、外傷などが原因となる場合もあります。

くも膜下出血の治療

くも膜下出血発症直後は、出血した部分は一時的に“かさぶた”のようなもので止血されますが、破裂した脳動脈瘤は再出血予防の処置をしないと再出血の危険性が非常に高いことが知られています。再出血を回避するために、まずは血圧を下げる薬(降圧剤)を投与します。処置は主に開頭クリッピング術とコイル塞栓術があります。

① 開頭クリッピング術
全身麻酔をかけた後、開頭を行い、破裂した動脈瘤の根元にクリップをとめて、血液が入り込まないようにします。
② コイル塞栓術
大腿部の血管より治療用の細い管(カテーテル)を通し、動脈瘤の中まで到達させます。動脈瘤の内部にコイル(非常に柔らかい糸状の金属)を充填し、血液が脳動脈瘤への流入することを防ぎ、再破裂を予防します。

くも膜下出血の予防

くも膜下出血の主な原因とされる脳動脈瘤ができる原因は、まだ詳しく解明されていませんが、高血圧や動脈硬化が一因となっていると言われています。高血圧は生活習慣病の1つであり、塩分の摂りすぎや喫煙、過度の飲酒、運動不足、ストレス、肥満などが原因となります。具体的な予防方法は、脳ドックなどで脳動脈瘤を前もって発見し、予防的治療を行うことです。親・兄弟など近いご家族にくも膜下出血を起こした方がいる場合は、発症率が高いとの報告があるので、脳ドックなどの受診を検討してもよいと思います。脳動脈瘤があっても、すぐにくも膜下出血を発症するということではなく、大きさ、形、場所、年齢などにより対応が異なりますので、専門病院への受診をおすすめします。
少しでも自分の症状に異変を感じた場合は、ためらわず、すぐに専門病院を受診しましょう。


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