一之瀬脳神経外科病院の健康コラム「よくある疑問にお答え‼」では、実際に患者さんからよくいただく質問に職員がお答えする、シリーズ形式でお送りしています。今回のテーマは「めまいの検査」です。
【Q1】めまいの種類とは?
当院には 1ヶ月に約 100名近い患者さんがめまいを主訴に来院されています。今回は、めまいを詳しく調べるための平衡(へいこう)機能検査とめまいの仕組みについてお話をさせていただきます。
人間は立っている時や座っている時、耳の神経(前庭神経)、筋肉や腱、目(視覚)からの情報を中枢神経(脳幹、小脳、大脳基底核)が司令塔として処理して姿勢を維持しています。この経路のどこかの調子が悪くなると姿勢の維持に影響してめまいが生じることがあります。
めまいは症状や原因によって以下のように区別されています。
回転性めまい |
天井や周囲がグルグル回転しているようなめまい 耳鳴りや耳閉感などめまい以外に耳の症状もあることが多い |
浮動性めまい | 体がふわふわした感じで姿勢を保てず、まっすぐ歩けないこともある |
立ち眩みのようなめまい |
中枢性めまい | 脳血管障害、脳腫瘍、椎骨脳底動脈循環不全など頭の病気が原因 |
耳性めまい(末梢性めまい) | 良性発作性頭位転換性めまい(BPPV)、前庭神経炎、メニエールなど耳の病気が原因 |
他の原因によるめまい | 不整脈、起立性低血圧、迷走神経反射など |
このようなめまいに伴って生じる体の揺れの「強さ」「速さ」「方向」などの傾向を重心動揺計という機器を使って調べ、同年代の健常時の平均値と比べると、調子が悪い場所がどこかをある程度特定することが出来ます。
【Q2】めまいの検査ってどんな検査?
まずは医師が問診結果や診察でめまいの状況、体のふらつき具合(直立検査等)、目の動き(眼振検査)などを調べます。その後、考えられる原因に応じて様々な検査を行っていきます。
一般的なめまいの検査としては以下のような検査があります。
【Q3】平衡機能検査はどんな流れで行いますか?
【Q4】平衡機能検査前の注意点はありますか?
平衡機能検査は、両足で直立出来ることが前提となります。検査中にふらついて倒れることがないよう検査技師が安全を確認しながら検査を行いますが、支えなしで直立できないと正確な検査結果が得られません。また、検査中に喋ってしまうと正確な結果が得られないため、静かに検査を受けていただくようお願いしています。
当院は脳の病気が専門で、めまいの原因が脳にあるかどうかをMRIやCTといった画像検査で調べていくことが多いですが、この平衡機能検査を組み合わせることで原因をより詳しく調べることが可能です。めまいでお悩みの方で、脳の病気が心配な方は、ぜひ一度脳神経外科へご相談ください。
*ここに記載したものは一例ですので、ご不明な点は医師またはスタッフにご相談ください。
さて、今回はよくある「めまいの検査」の疑問についてお答えしました。一之瀬脳神経外科病院の『よくある疑問にお答えシリーズ』、今後もご期待ください!
一之瀬脳神経外科病院 臨床検査課 片桐 俊文
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