一之瀬脳神経外科病院の健康コラム「よくある疑問にお答え‼」シリーズでは、実際に患者さんからよくいただく質問に職員がお答えしています。久しぶりの今回は、検査時の「放射線被ばく」をテーマにお話します。
現代の医療において、画像診断の役割は大きく、必要不可欠なものとなっています。…とは言え、「放射線を使用する検査」と聞くと、なんだか怖いなと感じられることがあるかもしれません。今回は、検査の中でも使用頻度の高いCT検査を中心に、当院で行っている医療被ばく線量を最小限に抑えるための取り組みについてお話していきます。
【Q1】放射線を使った検査って、どんな種類があるの?
一之瀬脳神経外科病院で行う検査のうち、放射線を使用して行う検査は、一般撮影(レントゲン)、CT検査、脳血管造影検査があります。
※脳の検査でよく使用するMRI検査は、磁力と電波を使用し体内の様子を画像化する検査で、放射線被ばくがありません。
【Q2】放射線を使った検査は、体に影響はないの?
大量の放射線に被ばくすれば体に異常が起きたり、がんが発生するリスクが増えることは多くの研究で明らかになっています。しかし、CT検査で受けるような少量の放射線とがんの関係については、科学的に明らかにされていません。
患者さん個人の健康を総合的に考えると、CT検査によって病気の有無を判断する情報を得ることの方が、メリットが大きくなると考えられます。当院でも検査適応を医師が慎重に判断し、撮影する診療放射線技師も放射線の被ばくをできる限り少なくする努力を行い検査していますので、安心して検査を受けていただけます。
【Q3】検査時の放射線って測ることができるの?
当院では、線量管理システムを導入しており、それぞれの患者さんの放射線診療における被ばく線量を記録しています。このシステムにより、患者さんが受けた被ばく量を正確に把握し、必要に応じて適切な対策を講じることができます。
【Q4】少ない放射線量でも高画質な撮影ができるの?
最新のCT技術により、低線量での撮影や高度な画像処理が可能となり、診断に必要な高画質を保ちながら、被ばくを大幅に低減できるようになりました。当院では、これらの技術を導入し、特に頭部CTの被ばく線量を約30%低減することに成功しています。
【CT撮影の様子】 64列CT装置「Revolution Ascend(レボリューション アセンド)」(GE社製)
被ばく低減と診断に有益な質の高い画像を提供するため、当院の医療スタッフは研修会や認定資格の取得を通じて自己研鑽に励んでいます。
今後も最新の知識と技術を習得し、患者さんにとって、より安全で効果的な診療を提供できるよう努めてまいります。ご質問やご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
一之瀬脳神経外科病院 放射線技術課 上條 弘之
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