一之瀬脳神経外科病院の健康コラム「よくある疑問にお答え‼」では、実際に患者さんからよくいただく質問に職員がお答えする、シリーズ形式でお送りしています。今回のテーマは「脳波検査」です。
【Q1】脳波検査って何を調べるために行うのでしょうか?
脳波検査では人がぼーっとしている時、考え事をしている時、寝ている時、目を閉じている時など脳の活動状況や年齢に応じて様々な波形をリアルタイムで記録することが出来ます。その波形を同年代の平均的な波形と比較することで脳がしっかり活動出来ているか、異常な活動をしていないかを調べていきます。当院ではてんかんという病気が疑われる方やてんかんのお薬を内服されている方がお薬がちゃんと効いているかを調べるために行うことが一番多いです。それ以外では脳出血や脳梗塞など何らかの理由で意思の疎通ができない方に対して脳がどれくらい活動出来ているか、周囲の刺激に対して反応出来るかなどを調べたりもします。稀に脳波でしか診断できない脳の病気が疑われる際にも脳波検査は行われます。また、当院では行っていませんが臓器移植の際に行われる脳死判定でも脳波検査は行われています。
医療分野以外でも人間がリラックスした際に記録されるα波も脳波検査で記録される波形で、睡眠の深さを調べる際にも脳波検査が行われます。
【Q2】脳波検査にはどんな種類がありますか?
一般的に病院で行われる1時間程度で行う脳波検査以外に、数日間電極を付けて行う長時間脳波があります。その他には睡眠時無呼吸症候群等の睡眠中の病気の有無を調べるため行う終夜睡眠ポリグラフといった検査の中にも脳波検査が含まれています。
【Q3】検査は痛いのでしょうか?
脳波検査は非常に小さな電気的活動を調べるために、1㎝程の電極を頭部に貼り付けて行います。電気を流して刺激する検査ではないので痛みはありません。
【Q4】検査時間はどれくらいかかりますか?
一般的な脳波検査の場合、電極装着などの検査前準備に15~30分、検査に30~60分程度かかるので合計で1時間~1時間半くらいかかります。
【Q5】検査前の注意点はありますか?また検査が受けられない場合があるのでしょうか?
電極を頭部に付けるので、前日は洗髪して検査当日は整髪料、ウィッグ、かつら等はつけずに病院にお越し下さい。また、睡眠中の脳の活動も記録出来ると診察時の参考になるので前日は睡眠時間をやや少なめにしていただけると理想的です。それ以外は普段と同じように生活していただいてかまいません。検査中は目を閉じてリラックスした状態で行います。リラックスできるのであれば保護者の付き添いやまくら、ぬいぐるみ等の持ち込みも可能です。逆に検査中に安静に出来ない方は検査を受けることが出来ない場合があります。
また、検査には直接関係ありませんが、脳波検査はけいれんや気を失ってしまった方が受けることがよくあります。そういった場合、検査中に原因となるような異常所見が見つかればいいのですが見つからない場合も多いです。もし身近な方がそういったけいれんや気を失うようなことがあった際にはスマートフォンなどでその様子を録画して診察時にお持ちいただくと非常に大事な情報となりますので、もしあればお持ち下さい。
*ここに記載したものは一例ですので、ご不明な点は医師またはスタッフにご相談ください。
さて、今回はよくある「脳波検査」の疑問についてお答えしました。一之瀬脳神経外科病院の『よくある疑問にお答えシリーズ』。次回は脳疾患とも関わりの深い「睡眠時無呼吸症候群」に関する検査をテーマにお話します。どうぞご期待ください!
一之瀬脳神経外科病院 臨床検査課 片桐 俊文
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