一之瀬脳神経外科病院の健康コラム「よくある疑問にお答え‼」では、実際に患者さんからよくいただく質問に職員がお答えする、シリーズ形式でお送りしています。今回のテーマは「頚動脈エコー検査」です。
【Q1】頚動脈エコー検査って何がわかるのでしょうか?
頚動脈は心臓から脳に血液を送る大切な血管です。この血管に異常があると脳梗塞を起こすリスクが高まると言われています。頚動脈エコー検査では、頚動脈の動脈硬化の状態や狭窄の程度を調べることができます。
また、頚動脈は全身の動脈硬化の状態を反映するとも言われており、頚動脈を評価することで全身の動脈硬化の程度を予測することもできます。
【Q2】動脈硬化って何ですか?
血管は心臓から強い圧力で送り出される血液の通り道です。その過程において血管は目に見えない所で傷つき、修復をしています。その際、血管は様々な細胞を使ってさらに丈夫に固くしようと修復します。このサイクルが繰り返されることで血管は徐々に硬くなっていきます。これが動脈硬化です。
また、血液中にコレステロールが多く含まれていると傷ついた際に血管壁の中に侵入してプラーク(粥腫)といわれるこぶのようなものが出来ます。プラークは脳梗塞、心筋梗塞などの原因になります。
【Q3】検査は痛いのでしょうか?
エコー検査は人間では可聴出来ない音波(超音波)を使用して行います。頚動脈エコー検査では、検査用のゼリーを首に塗り、プローブと呼ばれるこぶしほどの大きさの医療機器を当てながら動かします。肌の上でプローブを滑らせるように検査するので、痛みはありません。また、放射線も使用しないので被曝の心配もなく、体に負担の少ない検査です。
【Q4】検査時間はどれくらいかかりますか?
動脈硬化の検査だけであれば10~15分程度です。プラークなど脳梗塞の原因となるような所見が見つかった場合は、合計で30分程度かけてしっかり検査します。
【Q5】検査前の注意点はありますか?また検査が受けられない場合があるのでしょうか?
検査用のゼリーを首周りにつけるので、首周りを開けやすい服装でお越しください。検査を受けられない場合は特にありません。
*ここに記載したものは一例ですので、ご不明な点は医師またはスタッフにご相談ください。
さて、今回はよくある「頚動脈エコー検査」の疑問についてお答えしました。一之瀬脳神経外科病院の『よくある疑問にお答えシリーズ』、次回のテーマは「脳波検査」です。どうぞご期待ください!
一之瀬脳神経外科病院 臨床検査課 片桐 俊文
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