健康コラム

よくある疑問にお答え‼ ②CT検査

よくある疑問にお答え‼ ②CT検査

一之瀬脳神経外科病院の健康コラム「よくある疑問にお答え‼」では、実際に患者さんからよくいただく質問に職員がお答えする、シリーズ形式でお送りしています。今回のテーマは「CT検査」です。

 

【Q1】CT検査は何を調べるために行うの?

CT検査は全身、どこの部位でも検査することが可能です。断面画像を1mm以下で作成できるため、レントゲンに写らないごく小さな病変も見つけることができます。

頭のCT検査は、脳の病気や異常を発見するために行われる検査です。頭部CT検査では、頭部外傷(頭蓋骨骨折や外傷性頭蓋内出血の有無)、脳出血やくも膜下出血などを迅速に診断することができます。また造影剤を使用したCT検査は血管を立体的に画像化することができるため、脳血管の狭窄(狭くなる)・閉塞(詰まる)、脳動脈瘤(血管がコブ状に膨らむ)、脳動静脈奇形(胎児期に発生する先天性疾患:脳内にできた“血管のかたまり”)などの血管病変の診断が可能となります。

 

CT検査は次のような病気の検査に使われます。

・脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、脳動脈瘤、脳動静脈奇形など

・肺がん、肺炎など

・胆石症、胆のう炎、膵炎、肝腫瘍、膵腫瘍など

・卵巣腫瘍、子宮筋腫、腸閉塞、大腸室炎尿結石など

・大動脈瘤、大動脈解離など

・骨折の有無など

 

【Q2】検査は痛いのでしょうか?

CT検査は痛みを伴いません。専用のベットで横になり、トンネル状の機械に入り撮影します。造影剤を使う場合は、注射の痛みがあります。

 

【Q3】検査時間はどれくらいかかる?

検査部位や内容によって異なりますが、520分程度です。

頭部CT検査は5分程度、頭部造影CT検査は20分程度です。

 

【Q4】CT検査って放射線を使うって聞くけど、体に影響はないの?

大量の放射線に被ばくすれば体に異常が起きたり、がんが発生するリスクが増えることは多くの研究で明らかになっています。しかし、CT検査で受けるような少量の放射線とがんの関係については、科学的に明らかにされていません。患者さん個人の健康を総合的に考えると、CT検査によって病気の有無を判断する情報を得ることの方が、メリットが大きくなると考えられます。当院でも検査適応を医師が慎重に判断し、撮影する診療放射線技師も放射線の被ばくをできる限り少なくする努力を行い検査していますので、安心して検査を受けていただけます。

 

【Q5】検査前は飲食の制限があるの?

CT検査では造影剤の使用の有無に関係なく、飲食の制限はありません。

 

【Q6】CT検査とMRI検査の違いって?

CT検査 MRI検査
原理 エックス線を用いてその透過率を画像化する 磁気(磁場・電波)の磁気共鳴によって画像化する
撮影の仕組み

・身体を透過したX線の量を解析

・三次元撮影を行い、任意の横断面を描出できる

・高周波の磁場により起こる水素原子の共鳴現象で発生する電波を受信して画像化

・一つの断面を複数の撮像方法で撮像して比較できる

身体へのダメージ 放射線被ばくあり 磁気による体へのダメージなし
検査時間 5分(頭部の場合) 20分~30分(頭部の場合)
特化部位 脳・肺・腹部・骨 脳・脊髄・血管・関節・骨盤腔内臓器
検査の利点

・詳細な三次元データを得られる

・検査時間が短いので救急時にも有効

・骨と空気をはっきり区別できる

・放射線被ばくがない

・造影剤を使用することなく脳や下肢の血管を広範囲に撮像できる

 

【Q7】検査が受けられない場合があるの?

以下の体内植込み型電子機器を装着されている方は、本体部分にエックス線が照射されると誤作動を生じる場合があるため、検査可能か確認させていただきます。

1)植込み型心臓ペースメーカー

2)植込み型除細動器

3)インシュリン注入ポンプ、持続自己血糖測定器

*ここに記載したものは一例です。機種によって検査可能な場合もありますので、詳細は医師またはスタッフにご相談ください。

 

さて、今回はよくある「CT検査」の疑問についてお答えしました。次回は脳神経外科ならでは「脳血管造影検査」についてお話したいと思います。

一之瀬脳神経外科病院 放射線技術課 上條 弘之

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