健康コラム

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: 頭文字をとってSAS(サス)と呼びます)とは、睡眠中に 10 秒以上呼吸が止まったり、呼吸が浅くなる回数が一定回数を超えた場合に診断される疾患です。睡眠中に無呼吸があると血液中の酸素濃度が低下し、熟睡できなくなるため、朝起きた時に疲労感があったり、頭が重かったり、昼間に強い眠気が生じやすくなります。SASによって生じる日中の眠気は、判断力・集中力や作業効率の低下を招きます。SASは本人が自覚しにくいため、まず、眠気の程度が病的であるか、次のようなテストを行うことも1つの目安となります。

Copyright.Murray W.Johns and Shunichi Fukuhara.2006.

合計11点以上の場合は、病的な眠気があると考えられ、その原因の1つとしてSASの可能性があります。ただし、合計10点以下でも家族から睡眠中の呼吸停止や大きないびきを指摘されたり、日中強い眠気を感じたことがある場合はSASの可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は突然死を招く!?

SASは脳卒中をはじめ、うつ病や心筋梗塞など突然死の危険因子となることがわかっています。ある調査研究では、下記の図のように、正常な場合に比べ、SASを認めた場合は、糖尿病で1.5倍、心疾患で3倍、脳血管障害で4倍のリスクがあるという報告があります。

※Nieto FJ,Young TB, Lind BK.JAMA 2000;283:1829-1836 ※Mooe T,Rabben T,Wiklund U,Chest 1996;109:569-663 Bassetti C,Aldrich Ms.Sleep1999;22:217-223 ※Punjabi NM,Shahar E,Redline S.Am J Epidemiol 2004;160:521-530

SASが脳卒中をはじめとする他の疾患のリスクを高める原因の一つとしては、動脈硬化の進行があります。睡眠中に間欠的に血液中の低酸素と二酸化炭素の蓄積が生じることにより、末梢血管の収縮などに関与したり、睡眠中に血圧が上昇したりすることなどが動脈硬化を促進すると考えられています。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査

SASの検査は自宅でできる簡易検査と、1泊入院で行う精密検査があります。重症度により簡易検査のみで診断できる場合と、精密検査で診断に至る場合があります。検査の結果、SASの治療が必要と診断された場合は、症状の軽減や、脳卒中等の疾患予防などのために治療をおすすめします。

大きないびきをかく、日中の強い眠気、夜間頻尿等、症状が思いあたる、または良好な睡眠がとれていないと感じている方は、一度ご受診下さい。

一之瀬脳神経外科病院 総合診療科 丹羽 智宏

 

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