仕事や生活に大きな影響を及ぼす脳の病気は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を原因に突然発症し、死に至ることも珍しくありません。2022年に厚生労働省より公開された「令和3年(2021)人口動態統計」によれば、脳血管疾患による死亡者数は10万4,588人にのぼります。
脳疾患は、早期発見・早期治療が何よりも重要となるため、予防には脳ドックの受診がおすすめです。今回は脳ドックとは何か、脳ドックをおすすめしたい方について、わかりやすく説明します。
脳ドックとは、脳卒中をはじめとする脳疾患リスクの早期発見・予防のために、MRIや血液検査など、さまざまな方法で現在の脳の状態を調べる“脳の健康診断”のことです。
脳ドックで実施される検査は、脳の断層と脳血管を撮影するMRI/MRA検査、頚動脈の狭窄を確認する頚動脈エコー検査、不整脈を調べる心電図、血液検査などを組み合わせて行うことが一般的です。これらの検査では、現在の脳の健康状態を確認しながら、将来的な病気のリスクを診断します。脳疾患は、自覚症状などの前触れなく発症することが多いため、病気を未然に防ぐためには、脳そのものの状態を調べると共に、脳疾患の発症リスクとなる高血圧や糖尿病をはじめとする生活習慣病を調べることも重要です。
では、脳ドックを受けることをおすすめしたいのは、どんな方でしょうか。
上の項目に1つでも該当する場合、脳血管疾患のリスクが高い状態といえますので、一度検査をおすすめします。 脳ドックは脳血管疾患のリスクを洗い出すことができ、また現在の脳の健康状態を把握するために重要な役割を果たす健診です。特に病気のリスクが高まる40歳を過ぎた方は、一度受診してみることをおすすめします。大病を発症してしまう前にリスクを減らし、健康を維持していくためにも脳ドックを受診してみましょう。
一之瀬脳神経外科病院の健康コラム「脳の健康診断~脳ドック~」シリーズ、次回は「脳ドックで見つかる病気」をテーマにお話したいと思います。
一之瀬脳神経外科病院 脳神経外科 小林 辰也
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