今回の医療スタッフインタビューは、看護部教育の最前線をテーマにお届けします。“脳神経外科”は敷居が高いと感じている学生が多いと思うので、もっと脳神経外科を身近に感じていただきたい!!ということで、今回は佐藤看護部長をはじめ、新卒で入った職員、既卒(当院に転職してきた)の職員、色んな経歴の看護部教育チームメンバーに集まっていただきました。
佐藤看護部長:
新人の頃、「脳神経外科って難しいな」と感じることはありましたか?
Yさん:
私は脳神経外科しかやったことないので他科のことはわからないですが、学生の時は脳神経外科が一番苦手だなと思っていました。
一同:
ええ~!?
Yさん:
授業中の座学だけだと、先生が教えてくれることが難しく感じて…。
佐藤看護部長:
授業での脳神経外科は難しかったんだね。では実習はどうだったのかな?どんな病院だったの?
Yさん:
実習は脳神経外科のある総合病院でした。総合病院だから、たまたま病棟に脳神経外科の患者さんがいるかどうか…という感じでした。
Mさん:
当院は専門病院だから全員が脳疾患の患者さんだもんね。実際に働き始めてからも、脳神経外科は難しいなって思うことはあった?
Yさん:
授業では色んな画像を見て、ここにどういう神経が通っているから…ってやっぱり難しい。でも働いてみたら、授業よりも実際の方がわかりやすいと感じました。患者さんのMRI画像をみて、実際の患者さんをみて…所見がある場所と症状が合っているから、少しずつ覚えられたかなと思います。それに当院は脊椎損傷など脳神経内科で扱うような疾患がほとんどなく、脳神経外科に特化しているので、まとまって勉強がしやすくて私にはよかったです。
Kさん:
私も学生時代、脳神経外科は得意ではありませんでした。呼吸器が一番苦手で、それよりは脳神経外科の方がいいなって。それに脳神経外科は「花形」って感じがしてかっこいいなっていう憧れがありました。
佐藤看護部長:
学生からすると、脳神経外科は少し華やかな印象があるのかもしれませんね。
Kさん:
学校の先生が、昔脳神経外科で働いていたと聞いて、かっこいいなと思っていました。気づいたらここに…
一同:
来ちゃったんだ!!(笑)
Yさん:
学校の先生が「脳神経外科は、『回復』が一番わかりやすい」と言っていたのをよく覚えています。発症して寝たきりに近い状態で救急車で運ばれてきても、治療を終えて歩いて退院する患者さんをみると、よかったなぁってやりがいを感じます。
インタビュアー:
Mさんは、新卒からずっと脳神経外科ですか?
Mさん:
20年くらい前に、新卒で総合病院に入職してから数年間、脳神経外科にいました。その後異動になって別の科にいたので、当院への転職を機に脳神経外科に戻ってきた感じですね。脳神経外科は、病態生理と病状がつながると「なるほど」と一番感じることができると思います。いろんな科の中でもその部分は分かりやすい。看護師として脳神経外科に魅力を感じる部分ですよね。後輩職員の様子を見ていると「あぁ脳神経外科を分かってきているのかな」ってうれしく感じますね。
Yさん:
私が入職した頃は、病院全体の研修を受けた後、各病室の担当看護師について現場で学ぶ。午後は勉強会のような感じでした。1対1のプリセプター制ではなくて、教育係が新人みんなに対して教える感じですね。入職後3ヶ月間は、内服・点滴・状態・経過をまとめて、教育係と振り返るなど、病態生理をしっかり行います。現場では、徐々に受け持ちの患者さんを増やしていって、夏くらいを目途にひとり立ちするようなステップでした。現場では、各病室担当の先輩にわからないことを相談できるし、病態生理はリーダーに聞けるので、わからないことがそのまま…ということがないのでよかったです。
Mさん:
新人の頃は、経験値がまだないから、色んなことの優先順位がわからなくて当然なので、きちんと報告や相談をしてくれることが大事だと思うんですよね。この2人はその部分をすぐクリアしてくれたから、とても安心して見ていられました。
Kさん:
初めて聞きました…うれしいですね。少しずつでも不安を潰していこうっていうことで、わからないことなどはすぐ相談していたと思います。
Yさん:
新人さん1人1人の進捗に合わせて、ペースを調整して教育を進めていけるのも、今の教育体制の魅力だと思います。
佐藤看護部長:
既卒の方は経験年数にもよりますが、基本的な看護技術はできているところからのスタートなので、その後は個々に合わせて現場で教えていきます。
Yさん:
接しやすいような雰囲気を持つこと、大事ですよね。声をかけやすい雰囲気を作るとか、自分から声をかけたりしますね。先輩看護師Mさんは、そのあたり本当にうまいですよね!新しく入ってきた方に、気さくに声をかけてコミュニケーションを取ってくれるので…。
Kさん:
実習を受けた病院では、先輩方は忙しくされているので声をかけづらかった印象でした。ここに入職してからは、先輩方が優しくて、それが一番の安心材料でした。新しく入ってきた人がなじみやすい雰囲気がありますね。
Yさん:
コロナ渦では全く行っていなかったですが、最近は看護師同士の交流会やプライベートで遊びに行ったりしています。
佐藤看護部長:
当院の一番の魅力は、脳神経外科の救急・ICU・手術と急性期の色んなセクションを勉強できる部分です。そして回復期リハビリテーション病棟もあるので、急性期のその後の繋がりも学べます。
Mさん:
総合病院だと手術室担当は手術のみというのが多いと聞きますが、当院では新人さんが、脳神経外科の急性期で病棟看護を学びながら、救急・ICU・手術室の経験を積んでいける。これが一番の魅力だと思います。
あと当院の先生は、全員めちゃくちゃ優しいです。インタビューだから話している訳じゃないんですが…これはなかなか珍しいと思います。
インタビュアー:
先生が話しやすいって大事ですよね。
佐藤看護部長:
どの先生も穏やかなので、看護師としても本当にやりやすいと思います。看護師は業務上、医師に接する機会も多いですが、先生が怖いから話しに行けないというようなことは聞かないですね。
Mさん:
看護部の課長もすごく優しいです。普段、背中で語るタイプなので多くは語りませんが…(笑)スタッフの色んな面に配慮しながら、一人一人を大事に思っているのが伝わっているので、相談しやすいと思います。
佐藤看護部長:
看護師って、一般的には女性社会でちょっとトゲトゲしていて怖いイメージがあると思うのですが、当院は両病棟(急性期・回復期病棟)共に課長が男性で、さらに男性看護師も多く在籍しているので、和やかさが加わっている感じがしますね。
Mさん:
病棟スタッフとしては、課長がスタッフをフォローしてくれているというのが安心材料でもあります。今何に悩んでいるのか?家族さんにもっとこうしてあげた方がいいのでは?など「看護観」のような部分をみてくれています。
佐藤看護部長:
教育には、ラダーやPDCAサイクルも大切だと思いますし、今の看護部はまだまだその部分を構築している段階ではあります。しかし教科書には載っていない看護師としての人間性や看護観、メンタル面でのサポートというのも、看護師が成長していく過程で欠かせないもので、その部分のフォローが現体制ではできつつあると感じています。ここも今の看護部の魅力ですね。
今後も新人さんの教育をしながら、教育チームとしても成長する。模索しながら、一緒に成長していきたいと考えています。
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