一之瀬脳神経外科病院では、脳の疾患で入院・通院されている患者さん・ご家族に、介護サービス導入のご案内を医療ソーシャルワーカー(以下MSW)が行います。今回のコラムでは、介護サービスを受けるための手順や当院の取り組みを紹介します。
脳卒中の治療やリハビリ、今後の生活について、MSWが相談窓口となり、医師、看護師、リハビリスタッフ、管理栄養士、薬剤師、また院外の関係機関と連携して、以下のような幅広い悩みに対応しています。
・経済的、心理的、社会的なお困りごとに関する相談
・介護保険申請からサービス利用開始までの案内
・障害者手帳、障害年金についての相談
・再発・合併症予防のための支援や情報提供
・通院・訪問リハビリテーションなどの情報提供
・治療と仕事との両立支援に関する情報提供
・自宅で診療や支援を受けるための地域の福祉サービスの紹介 など
脳卒中に限らず病気に羅患すると、再発・仕事・生活・経済面について、様々な不安が出てきます。介護サービスの導入が患者さん・ご家族のお困りごとを解消する第一歩となります。
ここからは、実際の申請手順について解説していきます。
介護サービスを受けるには、まず介護認定を受ける必要があります。介護認定を受けることで、どの程度の介護が必要か(要支援または要介護)が判断されます。
申請は、市区町村の介護保険窓口で行います。申請に必要なものは、介護保険被保険者証と申請書類です。申請書類は市区町村の介護保険窓口で入手することができます。
市区町村の介護保険窓口に、申請書と介護保険被保険者証を提出します。申請は本人または家族が行うことができます。
※担当ケアマネージャーや介護施設の職員が代理で申請することも可能です。
申請後、市区町村から調査員が自宅を訪問し、要介護認定のための調査を行います。調査では、日常生活の動作や身体の状態などを確認します。
調査と並行して、主治医から意見書が市区町村に提出されます。当院でも、担当ケアマネージャーからの依頼で、担当医が主治医意見書を記載するケースがあります。主治医意見書は、申請者の健康状態や医療的な必要性を評価するために記載します。
審査結果が決定されると、市区町村から申請者に介護認定結果が通知されます。認定された要介護度に応じて、利用できる介護サービスが異なります。
※申請から結果通知までの期間は、通常1~2か月程度かかります。
介護認定を受けた後、ケアマネージャー(介護支援専門員)と連絡を取ります。ケアマネージャーは、介護サービスを計画し、必要なサービスを調整する役割を果たします。担当ケアマネージャーが決まっていない場合は、下記で相談し、紹介を受けることができます。
すでに利用したいサービス事業者が決まっている場合、そこでケアマネージャーを紹介してもらうことも可能です。紹介されたケアマネージャーの中から、あなたに合った人を選びます。
担当してほしいケアマネージャーが決まったら、そのケアマネージャーが所属する事業所と契約を結びます。これでケアマネージャーが正式にあなたの担当となり、介護サービスの計画や調整を行ってくれます。
ケアマネージャーと一緒に、あなたの状態や希望に基づいてケアプラン(介護サービス計画)を作成します。ケアプランには、どのようなサービスをどれくらいの頻度で利用するかが具体的に記載されます。
ケアプランが完成したら、サービスを提供する事業者を選びます。ケアマネージャーが適切な事業者を紹介してくれるので、その中から選ぶことができます。事業者との契約が完了したら、介護サービスの利用を開始できます。
介護サービスを利用する際、介護保険が適用されます。費用の一部は保険でカバーされ、自己負担額はサービス利用料の1割から3割です(所得によって異なります)。
介護認定の有効期間は原則として6か月〜3年間であり、介護認定の有効期間が終了する前に、再認定の申請を行う必要があります。また、ケアプランも定期的に見直し、状況に応じてサービスの調整を行います。
介護が必要となってからも本人やご家族が支援を受け、住み慣れた地域で安心して生活するために、今回のコラムでは介護サービスを受けるための手順や、当院の取り組みについてお話しました。
一之瀬脳神経外科病院では、訪問看護ステーション・訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション(デイサービス)・訪問介護ステーション・有料老人ホームなど、介護サービス提供事業所があります。ご相談はお気軽にお電話でお問い合わせください。
一之瀬脳神経外科病院 医療連携課
MSW 大島 聡子
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