当院で治療できる疾患

当院で治療できる疾患

当院で治療可能な代表的な疾患は、「脳卒中(脳出血・くも膜下出血・脳梗塞)」です。また脳梗塞のうち、心原性脳塞栓症は心臓弁膜症や不整脈などの循環器疾患が関連します。脳卒中は脳だけを診ていては防ぐことはできません。当院では循環器外来、糖尿病外来、睡眠時無呼吸外来を設け、脳卒中発症リスクの高い疾患を含め、トータルに脳卒中予防に努めています。また脳卒中以外に当院で治療することのできる疾患について説明します。

未破裂脳動脈瘤

頭痛やめまいなどの精査、脳ドックなどで偶然見つかる場合があります。破裂するまでは無症状であることがほとんどですが、破裂した場合にはくも膜下出血を来たします。くも膜下出血を発症した場合、大まかには1/3の方が致死的となり、1/3の方に後遺症が残り、元気に社会復帰されるのは1/3の方のみと言われています。ひとたび発症すると元の生活に戻ることができる方が1/3だけという動脈瘤は、部位や大きさによって破裂率が異なりますが、くも膜下出血を発症する前に動脈瘤の処置をすることで、くも膜下出血を予防することが可能です。破裂を予防する方法としては開頭によるクリッピング術と脳血管内手術によるコイル塞栓術があります。部位や大きさ、形によってどちらの治療法が好ましいか検討し選択します。

頚動脈狭窄症

頚部で総頚動脈は内頸動脈動脈と外頚動脈に分岐します。この分岐部で狭窄が見られることが多く、脳梗塞の原因となる場合があります。狭窄が強い場合や不安定プラークがある場合、外科的治療を行います。頚動脈内膜剥離術は血管を切開しプラークを切除、血管を縫合する方法です。頚動脈ステント留置術は、カテーテルで狭窄部位を広げ、再狭窄を防ぐためにステントを留置する方法です。2つのうちいずれの方法で行うかは、患者さんにとって、より安全でより効果的な方法を提案し選択しています。

もやもや病

脳の動脈が進行性に狭窄していく原因不明の疾患です。血管が細くなることによる虚血症状で発症する場合と、側副血行路として発達したもやもや血管からの出血で発症する場合があります。MRI/Aや脳血管撮影(カテーテル検査)等で診断を行います。血行再建術(バイパス手術)で治療を行います。

慢性硬膜下血腫

頭部打撲後、1ヶ月程度の間に少しずつ硬膜と脳の間に血液が溜まります。溜まった血液が脳を圧迫することにより麻痺などの症状が出ます。比較的頻度の多い疾患です。血腫量が多く、症状が見られる場合は手術を行います。手術は頭蓋骨に1cm程度の穴を開け、血腫腔に血液排出用の管を挿入し血腫を除去します。

脳腫瘍

神経膠腫 しんけいこうしゅ 髄膜腫 ずいまくしゅ 、転移性脳腫瘍は開頭による摘出術を行っております。ナビゲーションシステムで腫瘍の位置・広がりを確認し、必要に応じて術中神経モニタリングを用い術後に神経症状が出ないよう注意して腫瘍を摘出しています。下垂体腺腫については神経内視鏡を用いて手術を行っています。

特発性正常圧水頭症

歩行障害、尿失禁、認知機能低下が3徴候と言われていますが、これらの症状を呈する方の中には特発性正常圧水頭症の方がいらっしゃいます。特発性正常圧水頭症は、過剰な髄液が脳室に溜まり、脳を圧迫することで障害をきたす高齢者に多い疾患で、手術を行うことで症状が改善する可能性があります。髄液排出試験(タップテスト)で症状の改善が見られた場合、脳室腹腔短絡術(VPシャント術)または腰椎くも膜下腔腹腔短絡術(LPシャント術)を行います。余分な脳脊髄液を腹腔内へ逃す手術です。腹部の手術歴などで腹腔内へ髄液を導くことが難しい場合、脳室心房短絡術(VAシャント術)を行う場合もあります。

三叉神経痛、片側顔面けいれん

いずれも脳の血管が神経に当たって起こる病気です。
三叉神経痛は三叉神経(顔の感覚を脳に伝える神経)を圧迫することで顔や口に電気が走ったような痛みが走る病気です。内服薬(カルバマゼピン)での治療と手術療法があります。
片側顔面けいれんは顔面神経を圧迫することで顔の片側が引きつるようにけいれんする病気です。ボツリヌス療法(ボトックス注射)と手術療法があります。
三叉神経痛も片側顔面けいれんも、神経を圧迫する血管を動かす微小血管減圧術を行っています。

これらの疾患以外にも、頭痛やめまい、認知症、神経難病(パーキンソン病・脊髄小脳変性症など)も診察しています。当院では、脳に関する全ての症状に対応できる体制を整え、地域医療に貢献できるよう努めています。

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